夏の終わりに-帰ってきた「英霊」

個人的なメモ


実家の割と近所に昔ながらの日本家屋がある。
これは、昔、母がその母から聞き、私へと語り継いだ実話。


普通の家なのに何故かお茶を売っており、母が中学生の頃、よく買いに行っていたそうな。その当時は、でっぷり太った小柄なお婆ちゃん、背の高いおばちゃんと、小柄なおじさんが住んでいた。


背の高いおばちゃんの初めの夫は、(小柄な婆さんの)長男で戦争に引っ張られ、暫くして、戦死との連絡が石ころと共に来た。
程なくして未亡人のおばちゃんは、次男の小柄なおじさんと再婚。おばちゃんの子供は初めの夫、次男のそれぞれにいたはず(←ここは母の記憶が曖昧)


戦後、どの位経った頃か?  突然、長男が帰還。


そして暫くすると、長男(初めの夫)は蒸発。


母が大人になってからは、もうお茶は売っていなかったので、私にはその家族と接点はないが、幼い頃いつ見ても、夜遅くまで灯っていた玄関電球の橙色が、妙に印象に残っている。
(昔は、夜遅くまで玄関外のライトが着いている家は珍しかった)


先月帰省した時には、もう誰も住んでいないようで、常に手入れされていた生垣が伸び放題だった。