ちゃ・ちゃ・ちゃ♪眼兎龍茶

第22話「胡蝶の夢」夢幻神獣 魔デウス登場

出演:石橋蓮司、真田薫

TV番組「ウルトラマンマックス」の脚本家である蓮沼は、もう何日も不可解な夢を見ていた。
自分とカイトが一体化している夢だ。夢の中で蓮沼はカイトとして考え、行動する。そしてその夢には決まって不気味な女が現れるのだ。
蓮沼はその夢を脚本に書き始める。
昨夜の夢の続きを見た。例の女が粘土をこねている。形作られているのは不気味な怪獣。女はカイトである蓮沼に、素晴らしい怪獣を生み出すため相談にのって欲しいと頼む。女の作った怪獣の名は「魔デウス」。夢から醒めた蓮沼は、この夢をそのまま脚本として完成させていく。
夢の続き・・・。粘土をこねる女は、魔デウスは人類の夢を餌にして未来を奪い世界を破壊するのだという。
微笑む女を見てギョッとするカイト(蓮沼)。蓮沼の脚本が遂に完成する。
現実の世界。気分転換にふらりと外へ出た蓮沼はあるカウンターバーへ。
そこで蓮沼は思わぬ人物に遭遇する。なんと自分の隣には、夢に出てくるあの不気味な女が座っていたのだった・・・!


脚本家の夢と現実、マックスと脚本家が入れ替わり… 「ウルトラマンマックス」が現実な世界と、テレビ番組として「ウルトラマンマックス」が存在するのが現実な世界と、虚構の中で虚実入れ替わり、境界はどんどん曖昧に。
埃がかった映像とパチンコ屋や踏切りの音、渋い役者が相まって、大人向け。


第24話「狙われない街」対話宇宙人メトロン星人登場

出演:寺田農六平直政堀内正美

  
言わずもがなの、「狙われた街」続編。
脚本家の菊地雄一氏によると、

本作は、実相寺監督から事前にかなり具体的提案がありました。

『狙われた街』の「続編」であるということ。
40年前のメトロンが人間に助けられ、怪獣倉庫に潜伏しているということ。
携帯電話を使って人間を麻痺させるということ。
怪獣倉庫内でのカイトとメトロンの会話をじっくり描くということ。
http://blog.livedoor.jp/scenarioland/archives/50012844.html


追われる謎の男(寺田豊)と追う刑事(六平直政)…から一転、子供時代の表情にハッと戻り包容するシーン。やっぱ巧いねぇ
かつてよりずっとユーモアセンスに富み、お茶目になったメトロン星人。大人の余裕さえあり。寺田豊の力量ですな。「眼兎龍茶」とプリントされた350ml缶など小道具もニクイ。
実相寺は長編の映画よりウルトラマンなどの短編のが、個人的には面白い。

ちなみに、メトロンとカイトの卓袱台対話シーンは、円谷プロの実際の怪獣倉庫だそう。しかも、メトロンを縫っていた人も、実際の怪獣職人・打出親五氏。


2話共、監督:実相寺昭雄特技監督菊地雄一、脚本:小林雄次



三池や実相寺の作品が子ども向け番組に差し込まれる意味はとても大きいと思う。毛色の違う作品に引っかかって、今は疑問符だらけだろうが、ワンシーン、ワンカットでも心のどっか片隅にそれが引っかかるだけでも十分。いつかどこかの時期でハッとそれが大きな取っ掛かりになるって事もあるもんだろう。子どもたちよ、ナナメなオトナになってくれ!