ジプシーに憬れた頃

またもやフィルムセンターへ
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2005-03/kaisetsu.html


民俗学映画の展開[3]

沖縄・西表島を舞台にした北村皆雄の『アカマタの歌』は、民俗学の視点から出発しつつも、秘儀の撮影を拒まれた経験を通じ、
「記録」という行為自体を対象化することでドキュメンタリー作りの倫理をも問いかける問題作。また『私の人生 ジプシー・マヌーシュ』は
文化人類学の視点に立った映画で、フランスの映像人類学者・ジャン・ルーシュに学んだ大森康宏(現国立民族学博物館教授)が、フランスの
ロワール地方で家馬車(ルーロット)による移動生活を営むマヌーシュ族に注目し、その独自の生活様式を記録したものである。なお本作には
上映時間90分のフランス語版もある。

『海南小記序説・アカマタの歌 西表島古見』(87分・16mm・カラー)
1973年、監督・構成:北村皆雄

『私の人生 ジプシー・マヌーシュ』(60分・16mm・カラー)
1977年、監督、製作、撮影:大森康宏